TOP > ファクタリングの契約書でチェックすべき項目とは?わかりやすく解説

ファクタリングを利用する際には契約を締結しなければなりません。契約の内容は契約書に書かれていますが、よく読まずに判を押すと後からトラブルになったり、思わぬ損失が出たりしかねません。契約書はすみずみまでよく読んで納得した上で判を押しましょう。本記事ではファクタリングの契約書でチェックすべき項目について解説します。

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ファクタリングの契約書に記載される主な項目

契約書に書かれる項目は契約内容によって異なります。ただ、一般的にファクタリング契約で良く書かれる項目はあります。それは以下の10項目です。

項目 内容
債権譲渡の内容 債権者と債務者(売掛先)の情報、債権内容、売掛金の発生日、支払期日が記載されている。
売買代金 ファクタリング会社から利用者に振り込まれる金額。債権の額面から手数料や諸経費を除いた金額となる。
債権譲渡通知の有無 売掛先に債権を譲渡した事実を通知するか。通知する場合は3者間ファクタリングとなり通知しない場合は2者間ファクタリングとなる。
債権譲渡登記の有無 債権譲渡登記をするかどうか。債権譲渡の登記によって利用者が二重にファクタリングを利用するのを防止する。2者間ファクタリングでは債権譲渡登記をする場合が多い。
償還請求権の有無 売掛先から回収出来なかった場合に、利用者がそれを買い戻す特約があるか。後述するが、償還請求権がある場合はファクタリングではなく融資契約となる可能性がある。
表明保証 譲渡する債権が有効なものであること(架空の債権ではないこと)等について利用者が真実として表明保証すること。表明保証した事実に相違があった場合、契約解除・損害賠償請求がなされるケースが多い。
報告義務 売掛先の状況についてファクタリング会社に報告するべき義務について。売掛先の状況に変化があり、未回収リスクが高まっている場合はファクタリング会社に通知しなければならない。
損害賠償 契約違反があった場合の損害賠償についての取り決め。例えば2者間ファクタリングで利用者が売掛金を横領したり、報告義務を履行しなかったりした場合に損害賠償請求がなされるケースが多い。
契約解除 契約違反があった場合の契約解除についての取り決め。
契約期間と解約方法 途中解約の条件と契約期間について。多くの場合は1回の売買で終わるが、一定期間売掛金を買い続ける契約の場合はこの規定が存在する場合が多い。
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ファクタリングの契約書でチェックすべきポイント

上記の10項目について、どのような点に気をつければよいかを以下に解説します。

融資になっていないか

ファクタリングは、ファクタリング会社に債権を売却し売買代金の支払いを受けるサービスです。これは売買契約であるので、融資ではありません。しかし、契約内容によっては実質的に融資になっている場合があります。

もし貸金業登録をしていない業者がファクタリングと称して実質的な融資を行っているとすれば、違法の可能性があります。注意しましょう。

ファクタリング契約が売買契約か融資かは様々な観点から判断されますが、例えば近年の裁判例では、次のような観点から判断しています。

このような事実がある場合はファクタリングではなく融資である可能性があります(大阪地方裁判所平成29年3月3日判決)

また、金融庁は売買契約か融資かの境界を以下のように述べています。

これらも参考にし、自分が締結しようとしている契約が本当に売買契約なのか判断しましょう。

【参考】ファクタリングに関する注意喚起/金融庁
https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html

債権の内容は正しいか

債権の内容は最も重要な情報なので、間違っていないか念入りに確認しましょう。債権の内容とは具体的には以下の情報です。

手数料の金額

手数料の金額は必ず確認しましょう。先述した通り、手数料が著しく高額で、売買代金が著しく低額なファクタリングは悪質な業者の可能性があります。一般的な手数料の相場は以下の通りです。

また、契約書を作る際に必要な印紙税や、債権譲渡登記の費用も必要になる場合があります。これらの費用は手数料に含まれている場合もあれば、手数料とは別途請求される場合もあります。手数料の内訳がどのようになっているのか、手数料の他に支払うお金はあるのかを必ず確認しておきましょう。

損害賠償などの規定の妥当性

特に2者間ファクタリングの場合に損害賠償に関する条項が設けられるケースが多いです。2者間ファクタリングは売掛先から利用者に売掛金が支払われた後、利用者からファクタリング会社者に支払いをする仕組みです。このとき、売掛先から回収された売掛金を横領してファクタリング会社に支払わなかったり、表明保証した債権が架空債権であったりすると損害賠償請求の対象になります。

先述したようにファクタリング契約は売掛先から回収できないリスクをファクタリング会社が負う契約ですが、利用者が回収した売掛金を横領したり、架空の債権を売ったりして良いわけではないので注意しましょう。

また、契約書に報告義務の条項がある場合、その義務の不履行で回収が不可能になると損害賠償請求の対象になります。報告が義務づけられている売掛先の情報は必ず報告しましょう。

契約期間や自動更新の要件

ファクタリングは売買契約なので、通常は1回の売買で契約は終了します。しかし、契約内容によっては毎月発生する売掛金を一定期間にわたって買い取り続ける契約になっている場合があります。このときの契約期間や自動更新の要件はよく確認しておきましょう。さもないと要望していたファクタリングの期間は終わったのに、自動更新により意図せず手数料を負担するといった事態になりかねません。契約期間はいつからいつまでか、自動更新を停止するにはいつまでにその旨を通知すれば良いのかなど、契約時にしっかりと確認しておきましょう。

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まとめ

ファクタリングは便利なサービスですが、その利便性が優先され、法的な規制が緩やかな面もあります。特に、悪質な業者と、ファクタリングを装った融資契約など違法性の高い取引を行わないためにも、契約書をしっかり読み、問題ないことを確認した上で契約しましょう。

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